2025年6月25日水曜日

【人文の資格課程】司書課程・司書教諭課程のご紹介(全学部学科/人文)

  司書課程を担当しています、長谷川幸代です。本学では「司書課程」と「司書教諭課程」を開講しています。現在、司書課程は全学部全学科に開講し、司書教諭課程は教職課程と一緒に履修するため文学部人文学科に開講しています。

 

「図書館」や「司書」と聞くと、真っ先に「本」をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、それ以外にも沢山のメディアが存在しています。雑誌や新聞、CDDVDBlu-ray、近年では画像化されたデジタルデータも図書館が扱う大事な資料です。知恵や知識の宝庫である図書館ですが、利用する人たちに届ける必要があります。膨大な資料や情報を選別して、使いこなすためにはどうしたらよいでしょうか。

図書館の様々な資料を熟知して、情報技術を使いこなし、利用者へ効果的なサービスを行うことが求められます。そのための科目が、数多く開講されています。 


これは、分類の授業の様子です。「情報資源組織演習B」という科目では、図書に分類記号やキーワードを付与します。学内には、受講生用に日本十進分類法などの資料が揃えられていて、それらを実際に使って演習を行います。
分類演習の様子:皆さん、熱心に分類作業に取り組んでいます。       

授業で使う日本十進分類法

 その他、コンピュータで情報検索をする演習の授業(「情報サービス演習A」)もあります。世の中には沢山の情報が溢れていて、内容は信頼性の高いものから低いものまで玉石混交です。その中から確実な情報を見極めて入手できるよう、データベースなどを利用して実践的な課題に取り組みます。


データベースを利用した情報検索に取り組む様子

 図書館司書課程の授業を履修することで、図書館そのもののことだけでなく、多様なメディアや情報活用について学ぶことが出来ます。こういった知識やスキルは、生涯にわたって活用できるものです。

 本はもちろんのこと、沢山の情報源にふれながら、楽しく学んでいただければ嬉しいです。

  担当教員の最近の著書を紹介します。幅広いサービスを展開する現代の図書館の様子が分かる内容となっています。最近の図書館事情ってどうなっているの?今後の図書館はどうなっていくの?という問いを念頭に書いています。ぜひご覧になってみてください。

野口武悟・新藤透・千錫烈・長谷川幸代〔編著〕 A5190p 2025.3

定価2,750

塚田 修一・松田 美佐(編) 発行年月20254

本体価格  ¥2,500  A5判(148×210

ページ数  296ページ

執筆担当:第2部 日常を探る「多摩の図書館――コミュニティの情報拠点として」

     【コラム】八王子市の図書館動向


2025年6月24日火曜日

文学部プログラム:マイステップ・フォワード!が始まりました

 跡見学園女子大学文学部では、従来の学修支援やキャリアサポートに加えて、学生の主体的な学びを支援し、さらに将来のキャリアへとつながる仕組みを強化すべく、2025年度から3つの独自プログラムをスタートさせました。

 本を読む、表現する、文化に触れる、将来を見据えて活動する——それぞれの好奇心を出発点に、学生が自ら記録し、振り返り、言葉にする機会を重ねながら、卒業後にも活きる教養を身につけることを目指します。


○プログラム1 アカデミック・リーディング・プログラム

 読んだ本の読書記録やレビュー執筆を通じて、知的関心を深めてもらうプログラムです。学生は自由に本を選んで読み、文学部教員のおすすめリストも活用できます。4年間を通して無理なく学問の世界と親しみ、学びを深めることができるようサポートしていきます。

 ☆「読む力」と「考える力」の土台を作るプログラムで、文学部での学びに直接つながっていきます。


○プログラム2 芸術&歴史プログラム

 展覧会や劇場での鑑賞、史跡などへの訪問を通じて感性を磨き、学びを深めることができるプログラムです。授業で得た知識をもとに楽しみながら取り組むことができます。また、文学部教員が用意したオススメの美術館・博物館リストも活用することで、自らの興味関心をもって活動できるようサポートしていきます。

☆探究活動での「フィールドワーク的体験」に近く、アウトプット型学習との親和性が高いのが特長です。


○プログラム3 キャリアデザイン・プログラム

 文学部にとって、学生のキャリア形成や就職活動をどのように支援していくかはこれまで大きな課題でした。このプログラムを通して、資格取得やボランティア、課外活動などに積極的に参加し、それぞれの経験を積み重ねてもらいます。また、それを自身の言葉でまとめることで進路意識を高め、日々の学びとの結びつきも意識できるようにサポートしていきます。

☆「自分の将来像」を考える手がかりとなり、自己表現や自己実現にもつながります。


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参加方法は簡単、活動した内容をポータルの「マイステップ」に記録していくだけです。

在学生のみなさん、ぜひ積極的に参加してください!


詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

2025年6月4日水曜日

【人文の資格課程】学芸員課程のご紹介(人文・現文・マネジ)

  本学で学芸員課程主任を仰せつかっている人文学科の栗田(博物館学、西洋近代美術史)です。若い頃には14年ほどある県立美術館で学芸員をしていました。数年前に『現代博物館学入門』(ミネルヴァ書房)を編者として刊行し、現在も教科書として使用しています。


 跡見学園女子大学では現在、文学部人文学科、同現代文化表現学科、マネジメント学部マネジメント学科で学芸員資格を取得することができます。

 学芸員は、博物館資料の収集・保管・展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う「博物館法」に定められた、博物館におかれる専門的職員で、その資格取得には、大学卒業と文部科学省令の定める博物館に関する科目の単位を修得が必要です。
 学校との連携や生涯学習の推進の一翼を担う地域の博物館では、黙している文化財や作品のメッセージを聞き取り、人々に伝える学芸員の役割はきわめて重要です。

※参考映像;学芸員とは?NHK)

具体的には、前期課程で「生涯学習概論」と「博物館概論」を履修し、後期課程で「博物館経営論」「博物館資料論」「博物館資料保存論」「博物館展示論」「博物館教育論」「博物館情報メディア論」「博物館実習」を履修します。

「博物館実習」は4年生に開講され、春学期の基礎実習、夏期休暇を中心とする学外実習、秋学期の花蹊記念資料館における模擬展示の準備と実施の実習があります。

なお、学外実習の受講にあたっては、人文学科では美術史系か歴史・民俗系のゼミに所属していただき、それぞれに設定された必修科目を履修することで実習生に求められる専門知識を身につけていただくことにしています。

毎年秋学期末に花蹊記念資料館で開催される博物館実習模擬展示は、学芸員課程の集大成となるものです。受講生は美術班と歴史・民俗班に分れ、それぞれが企画、準備、実施を担当します。

2024年度の歴史・民俗班は、「女学生図鑑―教養とおしゃれ―」を企画しました。その模様は大学の公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。コチラ

学芸員の募集は、教職に比べると少なく、とりわけ、しばしば高度な専門知識が求められる大規模館に学卒者が正規職員として採用されることは容易ではありません。そのための深い専門知識を身につけるためには大学院進学が必要となる場合もあります。

中小の自治体では、公務員試験を受けて採用されると博物館への配属の可能性もありますし、文化財行政や文化行政に携わることもあることでしょう。もちろん学芸員資格の取得により、仮に学芸員とならなくとも、博物館に対するリテラシーが高まり、博物館を楽しむノウハウを身につけることができます。

 また、博物館や美術館を取り巻く業種には、展示企画、ディスプレイ、輸送・展示、図録制作、印刷、音声ガイド制作、ショップなどがあり、そこでは学芸員課程で学んだ知識や経験が大いに役立つこともあるでしょう。

卒業時に学芸員にならなくとも、資格があれば学芸員として就職するチャンスはあるものです。学芸員資格の取得は、皆さんの卒業後の活躍の幅を広げる一助になるはずです。


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 ということで、跡見の学芸員課程についてのご紹介でした。次回は全学で取得可能な司書課程を紹介します!