人文学科の柴田です。
「アート入門」の第3弾は、西洋近代美術史と博物館学ご専門の栗田秀法先生です。
先生は大学は勿論の事、美術館の学芸員として「美術の魅力をわかりやすく伝える工夫」を重ねて来られました。特に≪対話型鑑賞≫に力を入れておられます。今回この≪対話型鑑賞≫を段階を踏んで三回にわたるアクティブラーニングとして行なっていただきました。
(一)どんなふうに見える?→(二)どこからそう思ったの?→(三)もっと発見はある?。
(一)は第一印象や雰囲気を感じる、(二)は意識的に味わう;作品の情感、雰囲気、物語性、(三)は意図的に読み解く;構造、技法、象徴、文脈を知的に、と進んでいきます。
50名を越える受講生で対話型鑑賞をするのは先生も初めてとのことで、手持ちのアートカードでは足りずに買い足してくださったほどでした。
まずパワポで行なうことの意義の説明や、やり方についてのわかりやすい動画を見せて頂き、数人ずつの島に分かれてグループごとに進めていきます。アートカードの他、全員で一緒に鑑賞して考える作品については、スクリーンに大きく映し出します。
アプローチの仕方は、手を変え、品を変えて様々に工夫を凝らしてくださいました。
〇アートカードから共通性を見つけて数枚選び言葉で説明する練習、いくつかの作例について1分観察→5分対話→1分振り返りの対話型鑑賞(1人がファシリテーターになって進行する体験も)。
〇西洋絵画の技法や様々な造形要素についての解説の後、四季のカレンダーにするならどれ?(アートカード)、ブラインドトーク(ペアになって作品を見ていない相手にどのような作品なのかを説明する、そして技法や造形要素を含んだグループでの対話型鑑賞(ファシリテーター)。
〇5人の登場人物の絵の各人物の身振り手振りを役者のように真似てどのような人物かどのような場面かを考える、また、各自で一つずつ用意した推しの作品を用いてファシリテーター役になって対話型鑑賞を進める。
学生たちは、同じ作品についての様々な意見を聞けることが新鮮であり、そして「ファシリテーター」の難しさや大切さを実感していました。
≪対話型鑑賞≫では、発言する勇気、他の発言を否定しないこと、場を独占しないこと、などのルールが重んじられます。そして、ファシリテーターには、参加者の意見を全て受け止め、パラフレーズし、褒め、関連発言をリンクし集約する、参加者の発言を対等に扱い中立であるなど高度なことが要求され、美術鑑賞にとどまらず、全人的な尊い学びであるのでありました。
