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2026年4月3日金曜日

【新刊紹介】小川忠『脱過激化:テロ暴力から宗教を切り離す研究と実践』

小川忠(国際文化交流)教授の新著が刊行されます。

『脱過激化:テロ暴力から宗教を切り離す研究と実践』作品社、2026年4月刊


テロ暴力から宗教を切り離す試みとして世界で注目を集めている「脱過激化」について、宗教復興と暴力との関係、脱過激化の理論と方法、中東・欧米・アジアの「脱過激化」取り組みを詳述し、その取り組みへの日本の参加を促す。


【目次】

序章 なぜ「脱過激化」と関わるのか

第一章 宗教復興と暴力の関係――「脱過激化」へ目を向ける世界

第二章 「過激化」と「脱過激化」

第三章 「脱過激化」の方法

第四章 神学解釈あるいは政治対話に基づく「脱過激化」――サウジアラビア、イエメン、エジプト

第五章 社会包摂に基づく「脱過激化」――インドネシア

第六章 欧米の「脱過激化」――イスラーム過激主義から極右まで

第七章 オウム真理教テロ犯死刑囚の「脱過激化」

終章 日本が「脱過激化」と向きあうべき理由

あとがき

2025年5月17日土曜日

【新刊紹介】『アンドレ・フェリビアン「王立絵画彫刻アカデミー講演録」註解』

人文学科の栗田(西洋近代美術史、博物館学)です。

このたび、共編訳者として『アンドレ・フェリビアン「王立絵画彫刻アカデミー講演録」註解』を中央公論美術出版から刊行することができました。公益財団法人鹿島美術財団の「美術に関する出版援助」を受けての出版で、助成に心より感謝申し上げます。

もう一人の共編訳者は慶應義塾大学教授の望月典子氏で、『ニコラ・プッサン: 絵画的比喩を読む』(慶應義塾大学出版会)のご著書で知られています。共訳者には、それぞれフランス近世美術の研究で学位を取得された倉持充希、太田みき、福田恭子、小林亜起子、船岡美穂子の各氏に加わっていただきました。この講演録はフランス美術の最重要文献の一つで、1740年には英訳が出ています。近年関心が高まっており、2001年には独訳が、2020年には英語の新訳が出ています。

 フランスの王立絵画彫刻アカデミーは1648年に設立されたもので、ルイ14世の親政開始後の1663年に王室の財政的な支援を受けるようになってその活動が活発になりました。

重商主義政策で知られる太陽王の重臣コルベールは、王室の名声を高めるべく文化政策にも力を入れ、美術アカデミーにも様々な指示を与えました。その中の一つが王室のコレクションを活用しての講演会で、後進の育成に役立つ上達の秘訣をまとめさせようとしました。

講演録の編纂を任されたのが国王歴史編纂官のアンドレ・フェリビアンで、手工的技術としてさげすまれてきた絵画・彫刻の技芸を知的営為としての自由学芸に格上げするために展開された講演録の「序」の議論は有名で、とりわけ歴史画を頂点とする「ジャンルの序列」の理論はその後のフランス美術史の展開に大きな影響を及ぼしました。

 講演会が開始された1667年には7回が開催され、古代美術からは彫刻「ラオコーン」、前世紀の美術からはラファエッロとティツィアーノとヴェロネーゼが、当代の美術としてプッサンが取り上げられました。「序」には翌年の第1回講演会の内容に言及があるので、本書では補遺として第8回講演会も加えました。

各翻訳には詳しい注釈と解題を付し、読者の便宜を図りました。また解説として小生の「アンドレ・フェリビアン『王立絵画彫刻アカデミー講演録』(一六六八年)」と望月氏の「アンドレ・フェリビアンと美術批評」という二つの論考を掲載し、本書の意義が浮かび上がるようにしました。また、講演録の理解の一助となることを念じて、巻末には付属資料として美術アカデミーの規約集の翻訳を掲載しました。

 各講演を担当したのは国王首席画家シャルル・ル・ブランをはじめとする美術アカデミーの画家や彫刻家たちで、実制作者ならでは観点から多面的な分析が試みられています。毎回、基調講演の後に討論が繰り広げられており、当時の芸術家たちの間でどんなことが関心の的であったかがわかります。

 あるフランス語読書会でこの講演録の翻訳に取りかかったのは約25年前に遡りますが、長い中断を経て、新たに優秀な翻訳チームを組んで翻訳を完成できたことは感慨深いです。本書を通じて日本におけるフランス近世美術の理解が少しでも深まっていくことを祈念しています。



書誌情報

『アンドレ・フェリビアン「王立絵画彫刻アカデミー講演録」註解』

(共編訳:栗田秀法・望月典子、共訳:倉持充希・太田みき・小林亜起子・福田恭子・船岡美穂子)

中央公論美術出版、2025年(ISBN 978-4-8055-0997-5)

※出版社による紹介はコチラ


2025年4月7日月曜日

【新刊紹介】協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン(増補改訂第3版)

ごきげんよう。

茂木一司(インクルーシブアート教育・美術科教育)先生から、新刊のお知らせが届きましたのでご紹介します。

茂木先生は体感型の学びを大切にされており、この4月に入学した1年生からを対象にしたカリキュラムでは、教養科目の一つとして新設された「ワークショップで学ぶアート」も担当されています。茂木先生いわく、「これはたぶん日本の大学では珍しい教養科目での美術実技科目です」とのことです。

新カリキュラムの紹介ページも、ぜひご覧ください。

https://www.atomi.ac.jp/univ/faculty2020/new_educational_curriculum_2025/

茂木一司編集代表『協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン(増補改訂第3版)』(東信堂、2025.3.31)が刊行されました。

2010年初版、2014年第2版(https://x.gd/IEiA9)、10年ぶりに第3版となりました。

増補部分は、「[増補]終章 これからのインクルーシブアートワーク ショップの理念と実践―ケア・アクセシビリティ・ウェ ルビーイング―」として加えた内容で、インクルーシブ防災とジェンダー・LGBTQのアート教育及び視覚障害のためのインクルーシブアート教材開発、です。それに加えて、この本も最終版になるだろうと思って、「上田信行×苅宿寿文×茂木一司」の対談を結びに加えました。2003年頃から本格的にワークショップ学習を研究した成果をまとめたもので、最近のインクルーシブアート教育を今回加えました。

アートも含め、様々なことをからだ全体で学んでいくことが必要です。それは、頭で考えてからやるのではなく、やってから考えることと考えてからやることを即興でバランスよく繰り返すことでもあります。

世間ではワークショップはすでに透明化?しているくらい普及をしていますが、(大学を含めて、小中高校の)実際の教育/学習に関してはまだまだ主体的な学びとは言えない状況もあり、分断された教育ではなく、(生の)全体性を保証する学びにはワークショップのような指向性が必要と考えています。単なる方法ではなく、コンセプトとコンテンツが「分けられない」、そんな学習の在り方が求められています。


本はワークショップの入門書として編集していますので、初心者でも読みやすく具体的です。

東信堂とamazon等にじきに紹介されると思いますので、どうぞお手にとってご覧ください。


※ワークショップの社会的な広がりについては、以下のWebページを参照してください。

https://wsd.si.aoyama.ac.jp/about/

https://wsd2o.org/

https://wsd2o.org/manage/

2025年3月12日水曜日

【新刊紹介】ミュージアムの中のライブラリでアーカイブについても考えた:体験的MLA連携論のための点綴録

 ごきげんよう。

人文学科には様々な先生方がいらっしゃいますが、その中でも図書館に関することを専門とされている一人が、水谷長志先生です。水谷先生は「図書館情報学」を専攻されていて、MLA連携について研究されています。本学にいらっしゃる前は、東京国立近代美術館に勤務されていました。

MLA連携とは?と思う方も多いかもしれません。MLAは「ミュージアム(Museum)」「図書館(Library)」「文書館(Archives)」の3種類の施設を指していて、それぞれが協力して、知識や情報をより多くの人に届けるための取り組みを「MLA連携」と呼んでいます。

いずれも資(史)料を保存し活用するという点が共通していますが、多くの人がイメージするように、役割は少しずつ異なります。

これらが連携すると、たとえば「博物館で見たものについて図書館で調べる」とか「歴史の本を読んで、その時代の本物の文書を博物館や文書館で見る」などのように、知識をもっと深めたり新しい発見をしたりすることが、よりスムーズに行えるようになります。

また、デジタルアーカイブの作成も重要です。最近はインターネット上で見ることのできる資料も増えてきました。身近なところでいうと、国立国会図書館のデジタルコレクション次世代デジタルライブラリー、国文学研究資料館が構築する国書データベースなどは、その流れにあるものですね。


***


さて、そんな水谷先生が3月12日に新しいご著書を出されました。

『ミュージアムの中のライブラリでアーカイブについても考えた:体験的MLA連携論のための点綴録』* 樹村房、発売日:2025/3/12、228p. ¥3,960 (税込)

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MLA連携は3つの館界にあって,その呼称・考え・課題が共通されて久しい。そもそもこの三者の連携についての議論は,1994年にアート・ドキュメンテーション学会(当時,研究会)が国立国会図書館において創立5周年を期して開いたシンポジウム「ミュージアム・ライブラリ・アーカイヴをつなぐもの―アート・ドキュメンテーションからの模索と展望」に始まる。本書は,その企画・司会を担った著者が東京国立近代美術館という館の屋根の下でアートライブラリとアートアーカイブを構築した三十余年の軌跡を点綴したものである。

*本書の出版は,跡見学園女子大学学術図書出版助成によるものです。

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[主な内容]

序 ミュージアムの中のライブラリでアーカイブについても考えた―来るべき「博物館情報・メディア論」への助走として

【第1部 ミュージアムの中にライブラリを開く】

 第1章 ミュージアム・ライブラリの原理と課題―竹橋の近代美術館で学んだ5つの命題から

 第2章 東京国立近代美術館本館の情報資料活動

 第3章 第1部のための補論

【第2部 アート・ドキュメンテーションとMLA連携】

 第4章 アート・ドキュメンテーションとMLA連携―語の定義の試み

 第5章 極私的MLA連携論変遷史試稿

 第6章 MLA連携のフィロソフィー―“連続と侵犯”という

 第7章 MLA連携―アート・ドキュメンテーションからのアプローチ

 第8章 第2部のための補論

【第3部 アート・アーカイブ】

 第9章 アート・アーカイブを再考するということ―「作品の「生命誌」を編む」に与って

 第10章 第3部のための補論

 終 章 MLAを越えて―新たな調査研究法としてのMLAからSLAへ

あとがき

索引

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素敵なお写真も拝借しました。ご著書のカバー写真も!


【水谷先生より】写真は1990年3月9日発行のColumbia University Record, Vol. 15, No. 18の一面に掲載されたもの。USIA-IVPプログラムの招聘により同大学を訪問する機会を得て,エイブリー建築・美術図書館の建築ドローイング・アーカイブ(AVIADOR: Avery Videodisc Index of Architectural Drawings on RLIN)を操作しているところ。モニターにはローマ・パンテオンの素描が映し出されている。詳しくは,本文(p. 116)および「あとがき」をご参照いただきたい。

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【水谷先生より】カバーの《ウナギツリグ》は2011年3月11日の東日本大震災で被災した陸前高田市立博物館の流出資料に一点一点紐付けされラミネートされていた収蔵品のタグである。ここにはMLAのいずれにも共通するメタデータとドキュメンテーションのもっとも貴重な礎がある(本書第5章5.「MLAの同質と差異」, p. 95)


***

ちなみに人文学科には、MLAのそれぞれにまつわる科目が設置されています。また、司書資格や学芸員資格の取得も可能です。情報の重要性や文化の大切さを学び、就職や進学に繋げることができます。興味のある方、まずはオープンキャンパスへおいでください。

【オープンキャンパスのお知らせ】

https://www.atomi.ac.jp/univ/activity/detail/14588/

3月29日、新座キャンパスです。桜が咲いていますように。

2025年3月4日火曜日

【告知】横田先生の「おもて」と「うら」

 ごきげんよう。以前の記事で、ポッドキャストをご紹介しました。その名も「跡見アカデミックラウンジ 大学教員のおもてとうら」で、SpotifyとApple Podcastで配信されています。

パーソナリティは現代文化表現学科の西原麻里先生と、人文学科の中山慎太郎先生です。

一人目のゲストとして、人文学科の加美甲多先生が出演され、研究・授業のお話と趣味のお話をそれぞれなさっていました。まだの方はぜひどうぞ!(第1回・第2回


二人目のゲストとして、人文学科の横田恭三先生が出演されています。本学の書道教育を長年(26年!)担っていらっしゃった横田先生は、残念ながらこの3月で定年退職されますが、その前にお話がうかがえる貴重な機会です。

第3回では、人文学科での授業や、顧問をされていた書道部のことなど、跡見の教員生活を振り返ってのお話をたっぷり聞くことができます。第4回は横田先生の趣味のお話で、水泳や山登りのことなど、こちらもたくさんうかがうことができます。なんと週6泳いでいらっしゃるとか……!? 

ぜひお楽しみください。


***


ポッドキャストとはインターネット上で配信されているラジオのことでして、この番組は無料で気軽に聞くことができます。

Spotifyでお聞きになる場合は下のリンクからアクセスするか、またはSpotifyのアプリを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。

https://open.spotify.com/show/1p3PNqDTk5hGDj7EY9fDBj?si=a3888a2d16964fe9

Apple製品をお使いの方は、iPhoneなどにApple Podcastがインストールされていますので、そちらを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。iTunesやAlexa対応のスピーカーでも楽しめます。

1回分の時間は10分程度とコンパクトで、ちょっとしたスキマ時間にも聞けますのでお気軽に。ぜひチャンネルをフォローしてお楽しみください。

2025年1月24日金曜日

【告知】加美先生の「おもて」と「うら」!?

ごきげんよう。今回は跡見の新コンテンツをご紹介します。

その名も、「跡見アカデミックラウンジ 大学教員のおもてとうら」です。ポッドキャストとして、SpotifyとApple Podcastで配信されています。

パーソナリティは現代文化表現学科の西原麻里先生と、人文学科の中山慎太郎先生です。

ポッドキャストとはインターネット上で配信されているラジオのことでして、この番組は無料で気軽に聞くことができます。

Spotifyでお聞きになる場合は下のリンクからアクセスするか、またはSpotifyのアプリを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。

https://open.spotify.com/show/1p3PNqDTk5hGDj7EY9fDBj?si=a3888a2d16964fe9

Apple製品をお使いの方は、iPhoneなどにApple Podcastがインストールされていますので、そちらを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。iTunesやAlexa対応のスピーカーでも楽しめます。


今配信されているのは第2回までですが、これから月2回ほどのペースで更新されていくということで、跡見のいろいろな先生方のお話が聞けるようです。

第0回はパーソナリティのお2人の自己紹介、第1回・第2回はゲストとして人文学科の加美甲多先生が出演され、研究・授業のお話と趣味のお話をそれぞれなさっています(パーソナリティお2人の自己紹介は、第1回の冒頭でさらに詳しく聞けちゃいます)。


こっそり伺ったところによると、あの先生やこの先生も今後登場されるとか…?

1回分の時間は10分程度とコンパクトで、ちょっとしたスキマ時間にも聞けますのでお気軽に。ぜひチャンネルをフォローしてお楽しみください。


さて、加美先生にどんな「裏の顔」があるのか、私もこれから聞いてきます!