2025年7月23日水曜日

学芸員課程の見学実習

 学芸員課程主任の栗田です。

 学芸員課程の春学期の授業・博物館実習Bでは、毎年見学実習を行っています。今年は7月14日にさいたま市北浦和にある埼玉県立近代美術館を見学しました。

 レクチャーと館内案内をしてくださったのは学芸員の鴫原悠さん。先日資料調査(ある作家の書簡)で跡見の図書館を訪れてくださったとか。

 レクチャーでは、館の概要に加え、学芸員の多彩な活動について豊富なご自分の経験をもとに具体的にお話しいただきました。

レクチャーの後は、近年評価の高まっているアーティストデュオNerholによる企画展「種蒔きと烏 Misreading Righteousness」と「特集:デビュー50周年記念 山本容子」が開催中のMOMASコレクション展を観覧してもらいました。併せて、学芸員課程での見学ですので、配布したモニターシートを片手に館の様々な活動や施設をチェックしていただきました。

 受講生の4年生の多くは、夏休みに様々な館で博物館実習Aの授業で学外博物館実習(館園実習)を受講します。これまで学んだことや今回のレクチャーや見学を踏まえ、実りある実習を行っていただければと思っています。

 学芸員課程の4年生は、夏休みが終わると、秋学期の博物館実習Cにおいて学期末の「博物館実習生模擬展示」に向けて、展示の企画や準備を行います。※昨年度の模擬展示の模様はコチラ

2025年7月16日水曜日

【人文学科の学び】学生生活の実際:学びのサポートから就職まで

跡見学園女子大学の各学部学科の中でもっとも所属する教員数が多いのが、文学部人文学科です。29名の教員が所属し、開講されているゼミは16種類、学べる分野は大きく8つにわたっています。
その中でよく寄せられるご質問が、「何が学べるの?」「将来は何になれるの?」といったものです。たしかに、幅広く学べるといわれても、具体的にどういう授業があってそれが将来にどう繋がるのかはわかりにくいところですよね。

そこで前回は、人文学科で学べる内容についてお伝えしました(記事はこちら)。今回は、学生生活や就職などについてご紹介します。


大学生活では、様々な悩みに直面することがあります。たとえば履修のこと、たとえば就職活動のこと、たとえば……。
跡見学園女子大学では、一人ひとりが安心して卒業まで過ごせるように、サポート体制を整えています。

◯アカデミック・アドバイザー制度
学科教員が「担任」として学生生活をアシストします。人文学科では通常、前期課程と後期課程の2年ずつ、同じ教員が担当します。年間4回の面談をはじめ、履修の悩みや学生生活の悩みを相談することができます。

◯各事務室での対応
・教務課
履修のことや単位のことなど、授業に関することは何でも相談できます。「4年間ずっとお世話になる」でおなじみです。
『学生便覧』や『履修登録のために』という冊子(PDFでも配布)もわかりやすく作られています。授業のことで困ったら、まずは教務課に行ってみましょう。

・学生課
学生生活に関することが相談できます。サークルや部活動のこと、奨学金や修学支援に関しても、こちらで対応してもらえます。
「大学行くのちょっとしんどいな」「悩みがあるけどどうすればいいかわからない」というときも、気軽に相談してください。

・就職課
様々なキャリアイベントを通じて、就職に関する支援をしています。1年生を対象としたPROGテストも実施し、一人ひとりに沿ったサポートが受けられます。
個別面談や志望理由書の添削も行なっています。かゆいところに手が届くキャリアセミナーも定期的に実施されています。困ったら、まずは何かに参加してみましょう。

・その他
留学について知りたいなら国際交流課、地域連携に興味があるなら地域交流課など、各事務課には専門の職員が配置されています。どこに相談すればいいかわからない場合にはアカデミック・アドバイザーに話すのも◎。


文学部は何となく就職できないのでは?と思われていることが多いのですが、実際にはそんなことはありません。
2024年5月1日時点の人文学科の就職率は98.1%でした。主な就職先は、下記のとおりです(過去3年間)。

清水建設(株)/(株)フジキン/TDK(株)/(株)エヌ・ティ・ティ・データCCS/(株)NTTドコモ/ANAエアポートサービス(株)/国際興業(株)/(株)セキ薬品/(株)ヤオコー/東京シティ信用金庫/東京信用金庫/(株)ヤマダホールディングス/岡三証券(株)/明治安田生命保険(相)/住友生命保険(相)/日本生命保険(相)/三井住友海上火災保険(株)/太陽生命保険(株)/スターツコーポレーション(株)/太陽建機レンタル(株)/(株)東急ホテルズ/(株)研音/(株)LITALICO/(医)白報会/日本赤十字社/IMSグループ/(株)ベネッセスタイルケア/(株)JR東日本サービスクリエーション/(株)ベルクラシック東京/警視庁/東京都/埼玉県/日立市/新座市/飯能市/毛呂山町/飯豊町/守谷市/教員

一般企業はもちろん、公務員・教員になる人も。4年間で身につけた力を生かして、様々な業界で活躍しています。

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詳しくは知りたい方はぜひオープンキャンパスにお越しください。

【2025年度オープンキャンパス予定】
7月20日(日)@文京キャンパス
8月2日(土)@文京キャンパス ※ミニオープンキャンパス、探究ワークショップ
8月3日(日)@文京キャンパス ※ミニオープンキャンパス、探究ワークショップ
8月17日(日) @文京キャンパス
8月23日(土) @新座キャンパス
9月14日(日) @文京キャンパス
10月3日(金) @文京キャンパス ※ミニオープンキャンパス、ナイト説明会
10月25日(土)@新座キャンパス(紫祭)
10月26日(日)@新座キャンパス(紫祭)
11月8日(土) @文京キャンパス ※ミニオープンキャンパス、学校推薦型選抜対策セミナー
11月23日(日)@文京キャンパス 
12月5日(金) @文京キャンパス ※ミニオープンキャンパス、ナイト説明会

参加申込、詳細なプログラムはこちらからご覧ください。

2025年7月13日日曜日

【人文学科の学び】8つの分野と16のゼミ

跡見学園女子大学の各学部学科の中でもっとも所属する教員数が多いのが、文学部人文学科です。29名の教員が所属し、開講されているゼミは16種類、学べる分野は大きく8つにわたっています。
その中でよく寄せられるご質問が、「何が学べるの?」「将来は何になれるの?」といったものです。たしかに、幅広く学べるといわれても、具体的にどういう授業があってそれが将来にどう繋がるのかはわかりにくいところですよね。

ということで、今回は人文学科の学びについてご紹介します。

まず、8つの分野についてですが、「日本文学」「創作・表現」「美術史」「総合文化」「国際教養」「日本史」「西洋史」「現代思想・社会」が履修モデルとして想定されています。
(7月13日オープンキャンパス体験授業:矢島新教授)

とはいえ、このうちのどれかを選んでその科目しか取れないというわけではありませんので、組み合わせ次第でさらに広く・深く学べます。たとえば、中東の歴史(「国際教養」)とヨーロッパの歴史(「西洋史」)に関する科目をそれぞれ履修すれば、どのように影響し合いながら現代に至るかという視点で学ぶことができますし、「日本文学」を学びながら「創作・表現」に挑戦することも可能です。

他の学部学科の科目にも履修できるものがありますので、そういう授業とも組み合わせられます。
(人文学科Wさんの時間割から:幅広く履修しているのがわかります)

前期課程(1・2年次)はとくに、様々な授業を受けながら(”つまみ食い”しながら)じっくり考えてください。もちろん、「これに興味がある!」と決まっている人は、それに特化して時間割を組むことも可能です。

いわゆる座学だけでなく、実習科目が充実しているのも特色です。学生によっては、この実習科目を一週間の楽しみにしている人も。
(書道:香取潤哉准教授。オープンキャンパスでは書道関係のイベントもありますよ!)


(美術:柴田眞美教授。コーヒーを入れるのがお上手!な日本画家です)

「書く(描く)」だけではなく、「作る(造る)」授業もあります。粘土をこねたり、俳句や和歌を詠んだり……趣味も兼ねて、ぜひ楽しく学んでください。

さて、後期課程(3・4年次)になるとゼミを選んで所属しつつ、さらに専門的な知識を身につけていきます。人文学科には16種類のゼミが開講されています。

◯日本文学(中古文学):植田恭代教授
『源氏物語』などの平安時代文学の本文を丹念に読み、背景となる時代やその文化を視野に入れた注釈作業を通して、作品への理解を深めることをめざします。

◯日本文学(中世文学):加美甲多准教授
『宇治拾遺物語』などの中世日本文学作品を様々な角度から味わいながら、作品自体やその研究方法について学びます。

◯日本文学(近代文学):井上優先生(非常勤講師)
日本語で書かれた明治期以降の近現代の小説について考察し、履修者相互に研究発表と討論を行っていきます。

◯日本文学(日本語学):山岡華菜子講師
古典語から現代語までの音声・文法・語彙・表記などあらゆる内容を対象として、ことばの持つメカニズムや面白さについて考えていきます。

◯総合文化(文化人類学):森谷裕美子教授
文化人類学的な物の見方や考え方について学びながら、広い意味での「文化」―日本の文化や異文化について深く考えます。
(写真左:森谷教授、写真右:山岡講師)

◯総合文化(英文学):香山はるの教授
本や映像を題材としてイギリスの文化を様々な角度から考察します。「階級」「民族・人種」「ジェンダー」「戦争」など重要な問題を探究します。

◯西洋史:石田信一教授
ヨーロッパの歴史・文化・社会について多角的な視野から理解を深め、ヨーロッパ地域研究の手法の習得および批判的視点の獲得をめざします。

◯美術史(西洋美術史):剱持あずさ准教授
ルネサンス(15-16世紀)を中心に、西洋美術について学びます。作品をていねいに見ることから始めて、美術史的な知見を深めることを目指します。
(写真中央:剱持准教授)

◯美術史(近現代西洋美術史):栗田秀法教授
19世紀初頭から戦後までの西洋美術を対象に、近現代美術史上の諸問題やイメージ分析の手法について深めていきます。

◯美術史(日本美術史):矢島新教授
宗教美術、絵巻、水墨画などの様々なジャンルの特性の理解を目指し、近世から近代にかけて活躍した主要な作家について分析します。

◯日本史(前近代史):長谷川裕子教授
歴史研究に不可欠な史料のうち、主に中世・近世を対象に、同時代を生きた人びと自身の手になる「古文書」や「古記録」を読み解いていきます。
(写真左:栗田教授、写真右:長谷川教授)

◯日本史(近代史):松井慎一郎教授
幕末から現代にいたるまでの時期を対象とします。自己の「問題意識」を強く持ち、「史料」を深く読み解くことで、過去の人物や事象に迫ります。
(写真左:松井教授、写真右:矢島教授)

◯国際教養(中近代中東史):森まり子教授
欧米とアジアという異なる文化圏を同時に見て比較しつつ、歴史的背景を「深掘り」するグローバル・ヒストリーの視点で欧米とアジアを探求します。

◯国際教養(国際ジャーナリズム):笹島雅彦教授
日々、報道される国際情勢の流れをつかみ、その歴史的背景を調べていきます。理論と現実を行き来しながら、考えを深めていきましょう。

◯国際教養(国際交流):小川忠教授
文化と国際政治・経済の関係について、実践を念頭に置きつつ学ぶことで、めまぐるしく変化する現代世界についての理解を深めます。

◯現代思想・社会(哲学):神山伸弘教授
近現代文学作品の読書を通じて、そこに描かれたテーマ、人物、その行動などについて外面的な所作にとどまらず「内面」を考える思索を試みます。

ゼミでの活動も含めさまざまな授業を通して学び、4年次で卒業論文を執筆します。
人文学科で「自分だけの学び」を見つけ、ぜひ充実した大学生活を送ってください!


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人文学科では、資格を取得することも可能です。詳しくは別の記事をご覧ください。
教職課程
学芸員課程
司書課程

具体的な授業科目について知りたい方は、こちらをご覧ください。

2025年6月25日水曜日

【人文の資格課程】司書課程・司書教諭課程のご紹介(全学部学科/人文)

  司書課程を担当しています、長谷川幸代です。本学では「司書課程」と「司書教諭課程」を開講しています。現在、司書課程は全学部全学科に開講し、司書教諭課程は教職課程と一緒に履修するため文学部人文学科に開講しています。

 

「図書館」や「司書」と聞くと、真っ先に「本」をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、それ以外にも沢山のメディアが存在しています。雑誌や新聞、CDDVDBlu-ray、近年では画像化されたデジタルデータも図書館が扱う大事な資料です。知恵や知識の宝庫である図書館ですが、利用する人たちに届ける必要があります。膨大な資料や情報を選別して、使いこなすためにはどうしたらよいでしょうか。

図書館の様々な資料を熟知して、情報技術を使いこなし、利用者へ効果的なサービスを行うことが求められます。そのための科目が、数多く開講されています。 


これは、分類の授業の様子です。「情報資源組織演習B」という科目では、図書に分類記号やキーワードを付与します。学内には、受講生用に日本十進分類法などの資料が揃えられていて、それらを実際に使って演習を行います。
分類演習の様子:皆さん、熱心に分類作業に取り組んでいます。       

授業で使う日本十進分類法

 その他、コンピュータで情報検索をする演習の授業(「情報サービス演習A」)もあります。世の中には沢山の情報が溢れていて、内容は信頼性の高いものから低いものまで玉石混交です。その中から確実な情報を見極めて入手できるよう、データベースなどを利用して実践的な課題に取り組みます。


データベースを利用した情報検索に取り組む様子

 図書館司書課程の授業を履修することで、図書館そのもののことだけでなく、多様なメディアや情報活用について学ぶことが出来ます。こういった知識やスキルは、生涯にわたって活用できるものです。

 本はもちろんのこと、沢山の情報源にふれながら、楽しく学んでいただければ嬉しいです。

  担当教員の最近の著書を紹介します。幅広いサービスを展開する現代の図書館の様子が分かる内容となっています。最近の図書館事情ってどうなっているの?今後の図書館はどうなっていくの?という問いを念頭に書いています。ぜひご覧になってみてください。

野口武悟・新藤透・千錫烈・長谷川幸代〔編著〕 A5190p 2025.3

定価2,750

塚田 修一・松田 美佐(編) 発行年月20254

本体価格  ¥2,500  A5判(148×210

ページ数  296ページ

執筆担当:第2部 日常を探る「多摩の図書館――コミュニティの情報拠点として」

     【コラム】八王子市の図書館動向


2025年6月24日火曜日

文学部プログラム:マイステップ・フォワード!が始まりました

 跡見学園女子大学文学部では、従来の学修支援やキャリアサポートに加えて、学生の主体的な学びを支援し、さらに将来のキャリアへとつながる仕組みを強化すべく、2025年度から3つの独自プログラムをスタートさせました。

 本を読む、表現する、文化に触れる、将来を見据えて活動する——それぞれの好奇心を出発点に、学生が自ら記録し、振り返り、言葉にする機会を重ねながら、卒業後にも活きる教養を身につけることを目指します。


○プログラム1 アカデミック・リーディング・プログラム

 読んだ本の読書記録やレビュー執筆を通じて、知的関心を深めてもらうプログラムです。学生は自由に本を選んで読み、文学部教員のおすすめリストも活用できます。4年間を通して無理なく学問の世界と親しみ、学びを深めることができるようサポートしていきます。

 ☆「読む力」と「考える力」の土台を作るプログラムで、文学部での学びに直接つながっていきます。


○プログラム2 芸術&歴史プログラム

 展覧会や劇場での鑑賞、史跡などへの訪問を通じて感性を磨き、学びを深めることができるプログラムです。授業で得た知識をもとに楽しみながら取り組むことができます。また、文学部教員が用意したオススメの美術館・博物館リストも活用することで、自らの興味関心をもって活動できるようサポートしていきます。

☆探究活動での「フィールドワーク的体験」に近く、アウトプット型学習との親和性が高いのが特長です。


○プログラム3 キャリアデザイン・プログラム

 文学部にとって、学生のキャリア形成や就職活動をどのように支援していくかはこれまで大きな課題でした。このプログラムを通して、資格取得やボランティア、課外活動などに積極的に参加し、それぞれの経験を積み重ねてもらいます。また、それを自身の言葉でまとめることで進路意識を高め、日々の学びとの結びつきも意識できるようにサポートしていきます。

☆「自分の将来像」を考える手がかりとなり、自己表現や自己実現にもつながります。


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参加方法は簡単、活動した内容をポータルの「マイステップ」に記録していくだけです。

在学生のみなさん、ぜひ積極的に参加してください!


詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

2025年6月4日水曜日

【人文の資格課程】学芸員課程のご紹介(人文・現文・マネジ)

  本学で学芸員課程主任を仰せつかっている人文学科の栗田(博物館学、西洋近代美術史)です。若い頃には14年ほどある県立美術館で学芸員をしていました。数年前に『現代博物館学入門』(ミネルヴァ書房)を編者として刊行し、現在も教科書として使用しています。


 跡見学園女子大学では現在、文学部人文学科、同現代文化表現学科、マネジメント学部マネジメント学科で学芸員資格を取得することができます。

 学芸員は、博物館資料の収集・保管・展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う「博物館法」に定められた、博物館におかれる専門的職員で、その資格取得には、大学卒業と文部科学省令の定める博物館に関する科目の単位を修得が必要です。
 学校との連携や生涯学習の推進の一翼を担う地域の博物館では、黙している文化財や作品のメッセージを聞き取り、人々に伝える学芸員の役割はきわめて重要です。

※参考映像;学芸員とは?NHK)

具体的には、前期課程で「生涯学習概論」と「博物館概論」を履修し、後期課程で「博物館経営論」「博物館資料論」「博物館資料保存論」「博物館展示論」「博物館教育論」「博物館情報メディア論」「博物館実習」を履修します。

「博物館実習」は4年生に開講され、春学期の基礎実習、夏期休暇を中心とする学外実習、秋学期の花蹊記念資料館における模擬展示の準備と実施の実習があります。

なお、学外実習の受講にあたっては、人文学科では美術史系か歴史・民俗系のゼミに所属していただき、それぞれに設定された必修科目を履修することで実習生に求められる専門知識を身につけていただくことにしています。

毎年秋学期末に花蹊記念資料館で開催される博物館実習模擬展示は、学芸員課程の集大成となるものです。受講生は美術班と歴史・民俗班に分れ、それぞれが企画、準備、実施を担当します。

2024年度の歴史・民俗班は、「女学生図鑑―教養とおしゃれ―」を企画しました。その模様は大学の公式YouTubeチャンネルでご覧いただけます。コチラ

学芸員の募集は、教職に比べると少なく、とりわけ、しばしば高度な専門知識が求められる大規模館に学卒者が正規職員として採用されることは容易ではありません。そのための深い専門知識を身につけるためには大学院進学が必要となる場合もあります。

中小の自治体では、公務員試験を受けて採用されると博物館への配属の可能性もありますし、文化財行政や文化行政に携わることもあることでしょう。もちろん学芸員資格の取得により、仮に学芸員とならなくとも、博物館に対するリテラシーが高まり、博物館を楽しむノウハウを身につけることができます。

 また、博物館や美術館を取り巻く業種には、展示企画、ディスプレイ、輸送・展示、図録制作、印刷、音声ガイド制作、ショップなどがあり、そこでは学芸員課程で学んだ知識や経験が大いに役立つこともあるでしょう。

卒業時に学芸員にならなくとも、資格があれば学芸員として就職するチャンスはあるものです。学芸員資格の取得は、皆さんの卒業後の活躍の幅を広げる一助になるはずです。


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 ということで、跡見の学芸員課程についてのご紹介でした。次回は全学で取得可能な司書課程を紹介します!

2025年5月28日水曜日

【人文の資格課程】教職課程についてのご紹介

人文学科の特徴の一つである、資格課程についてご紹介します。今回は教職課程!

本学で取得できる教員免許の種類は、以下のとおりです。

・中学校教諭一種免許状  国語   

・高等学校教諭一種免許状 国語

・高等学校教諭一種免許状 書道

・中学校教諭一種免許状  社会(文科省に申請中)   

・高等学校教諭一種免許状 地歴(文科省に申請中)

(※美術科は、令和7年度入学生より募集が停止になりました。)


全国的に教員不足が叫ばれている中で、実は跡見の教職課程では、教員を希望する学生が、むしろ年々増え続けています。真面目で優秀な学生がたくさん集まっており、実際に教職に就いている人も少なくありません。

【教育実習受講者数】

 ・令和5年度:13名(国語10名、書道0名、美術3名)

 ・令和6年度:26名(国語18名、書道4名、美術4名)

 ・令和7年度:29名(国語19名、書道3名、美術7名)

その秘密は、充実したカリキュラムと指導体制にあります。教職課程では、関係教員の力を合わせた手厚い指導がおこなわれています。教職課程に特化した説明会やオリエンテーションも毎学年(3、4年生は年2回)実施されており、学生たちのモチベーションを高めます。

1年生向けの教職課程ガイダンス)

カリキュラムの面では、12年次(前期課程)において教職科目(「教職論」、「教育心理学」、「教育とICT活用」など)を中心に学びます。

近年、教員採用試験は3年次に受けることができる前倒し選考が行われていますが、この科目配置がその受験に有利にはたらいています。そして、34年次(後期課程)には専門科目が多く配置されており、教員として必要な専門的知識をしっかりと身につけながら、教科の教育法などを学び、実習へと出ていきます。

(後期課程「国語科教材論」の様子)

また、授業以外の場においても、小学校~高等学校の授業見学を全員参加でおこなっているほか、現場の校長先生や教育委員会採用担当者をお招きしての講演会も実施。「現場」を知り、どんな力が必要なのかを考える機会が充実しています。

 

跡見には「教育学部」はありません。それでも、採用試験では高い合格率を誇っています。

 例:令和6年度教員採用試験等結果報告(令和7年度採用)

(1)  一次試験合格者数:3年生15名(受験者数24名)*前倒し受験

               4年生10名(受験者数25名)

              合計:25名(国語科17名、書道3名、美術科5名)

(2)  教職に就いた合計数:8

(3)  大学院:2

 筑波大学大学院(書道科1名)、跡見学園女子大学大学院(美術科1名)

 

残念ながら不合格だった履修者も、教職課程で身につけたコミュニケーション力や分析力、プレゼン力などの様々な経験を活かして、自分の道を切り開いています。中には、社会人になってから再受験する人も。

卒業時には、「大変だったけど、教職がんばってよかったです」と笑顔で。

(卒業式、教職主任の鈴木芳明教授を囲んで)


人文学科に配置されている多様な分野とも行き来しながら、横断的に学ぶことができるのも特色です。

履修する単位が増えるので大変に感じることもあるかもしれませんが、その分しっかりと将来に役立つ資格を得ることができます。

 ということで、跡見の教職課程についてのご紹介でした。次回は学芸員課程を紹介します!