2025年4月29日火曜日

現代造形表現作家フォーラム展のお知らせ

 人文学科の柴田(美術)です。

G.Wの5/4~5/10(5/7休館)に東京都美術館で開催される「現代造形表現作家フォーラム展」に作品を出品いたします。


現代造形表現作家フォーラムは、春に東京都美術館にて、冬には立川の昭和記念公園の「花とみどり・いのちと心展」として毎年展覧会を行っています。平面・立体・インスタレーション・映像表現など、様々なジャンルの表現作家が集まり、現代の事象へ真摯な眼差しを向けている表現者集団です。


春のフォーラム展では、毎回テーマが設けられ、2025年のテーマは「人間を問う」。

柴田は、F100号(162×130.3cm)の日本画2点と樹木による「イノセントアースⅠ&Ⅱ」を出品します。イノセントアースⅠとⅡを並べて展示するのは初めてです。かつてイノセントアースⅠを展示した際に友人から寄せられた「詩文」(作品を見てのイメージで創作してくれた詩文です)も紹介したいと思っています。


便利さや速さを追い求めて発展(?)してきた人類の営みはある意味発展なのかもしれないが、しかしそのことにより同時に地球が泣いている・・・ことを人間は省みなくてはならない、ということを美術で主張します。


5/6のPM(13:30~)は柴田が受付におります。ぜひお越しください。


(昨年春の展覧会「人間と自然 Human/Nature」の様子)

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◯現代造形表現作家フォーラム展

2025年5月4日(日)~5月10日(土)(7日休館)

9:30~17:30(最終日13:30) 入場17:00迄(最終日13:00迄)

東京都美術館ギャラリーA(JR上野駅「公園改札口」より徒歩7分、地下鉄上野駅「7番出口」より徒歩10分、京成上野駅より徒歩10分)

入場料500円

2025年4月25日金曜日

花蹊記念資料館の見学

 現在花蹊記念資料館では、学園創立150周年記念「跡見花蹊と跡見女学校開学へのあゆみ」展が開催中です。HPでは企画趣旨が次のように記されています。

 

跡見学園創立者の跡見花蹊[1840-1926]は、教育者のみならず、画家・書家としても高く評価されました。本展では、跡見学園創立150周年を記念して、花蹊が手掛けた書画の中でも代表作を中心に紹介し、跡見学校開学までのあゆみを振り返ります。

花蹊は、摂津国西成郡木津村(現在の大阪市)で家塾を営む家庭に生まれ、幼少の頃から書画に親しみ、20歳になる頃には家塾の経営も任されました。

画家の円山応立や中島来章に「円山派」の画法を、日根対山に「南画」の画法を、頼山陽の門下であった儒学者・宮原節庵と後藤松陰に漢籍・詩文・書法を教授された花蹊は、のちに独自の表現を追求し、《四季花卉図》や《萬山畳翠図》などの代表作を生み出しました。また、花蹊の書の表現は「跡見流」として受け継がれています。

本展では、洋画家・黒田清輝による花蹊の肖像画を公開します。また、書画のみならず、花蹊が実際に着用していた「紫袴」や、生徒に授けた書画の手本、代表作《四季花卉図》に使用されている印章も展示いたします。花蹊はいかにして開学への道のりを歩んだのか、豊かな創作活動の足跡をお楽しみ頂ければ幸いです。

 

学内に博物館が設置されている跡見の特色を生かすべく、人文学科の学生の受講が多い「博物館概論」の授業で資料館の見学を417日に行いました。会場ではこの展覧会を担当した若林学芸員に展覧会の概要をお話しいただくとともに、学芸員課程を志す学生たちに向けて準備や展示に当たっての工夫や苦労をお話しいただきました。

受講生からは、 

今日の見学で、展示だけでなく学芸員さんのリアルな展示での苦労話を聞けて面白かったです。特に自分が興味を持ったのは飾り方についてです。花蹊が書いた短冊など、見学に来た人に見えやすいよう積木で頭の方から傾けてくれていたり、大きい掛け軸作品の上の方が巻く装置で巻かれてみえやすいようになっていたりと様々な工夫がされて展示が行われているのだなと実感しました。私は高校の時に書道部で大きな掛け軸作品を臨書ですが書いていたので掛け軸系のお話が特に興味深かったです。見学とても楽しかったです!

 であるとか、 

学芸員さんの展示までの苦労話の中で学芸員がこんなに関わっているのかと驚きました。原稿を作りから始まり、展示の設営、さらに私たちに展示物の説明などお話を聞いているだけで大変さを知り学芸員の重要度を知りました。展示のパネルや実物の配置方法、展示のテーマに必要な展示物を決めたりなど、どうしたら相手に伝わるかを重視したりしているのだと改めて思いました。実物があって特によかったのは、制服の袴です当時の人の身長が知れました。

 といった声が届けられ、多くの学生に展覧会や学芸員の仕事についての関心を掻き立てることができたようです。今後も花蹊記念資料館を活かし、少しでも学生の心に刺さる授業を心がけたいと思います。

 


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展覧会情報

跡見学園創立150周年記念・企画展「跡見花蹊と跡見女学校開学へのあゆみ

・会  場: 跡見学園女子大学花蹊記念資料館 展示室12

・会  期:2025324日(月)~520日(火)

・開館時間:10時~16

・休 館 日:土曜日・日曜日・祝日

 ※426日(土)は開館、52日(金)は休館いたします。

・入 館 料:無料

 

【関連イベント】

当館学芸員によるギャラリートーク(所要時間15分前後)

・日  時:⑴2025426日(土)1440分~

      ⑵2025517日(土)1400分~

・会  場:跡見学園女子大学花蹊記念資料館 展示室12

 

※展覧会について詳しくはコチラを。

※展示内容については資料館の公式Xもご参照ください。 コチラ





2025年4月19日土曜日

推しのいる生活【かるた部紹介】

人文学科の加美甲多(日本中世文学)です。

せみまる・・・。

彼との出会いは坊主めくりであった。

坊主めくりとは『小倉百人一首』の絵札を使って遊ぶゲームである。当然ながら札は100枚あり、100人の人物が描かれているが、なぜかいつも気になる存在は蝉丸であった。

坊主=僧侶をめくると基本的にすべての札を返すシステムで、坊主に注目が集まりがちとはいえ、在原業平や紫式部、清少納言などはなじみ深いはずであり、坊主なら西行や慈圓(じえん)といった有名な人物もいた。

それでもやはり気になるのは蝉丸であった。「蝉丸」という一風変わった名前と、どこかミステリアスに描かれた札の影響だったかもしれない。

あるいは蝉丸ルールなるものも存在していたことから、古くから蝉丸を特別視する人々がいたとも言えるかもしれない。

当時はこの感覚を説明するのは難しかったが、いま考えるとこれが「推し」という感覚だったのであろう。

数多存在するグループのメンバーからひとりを選ぶ。要は『小倉百人一首』の詠み人は100人の男女混合文学アイドル(歌手)グループで、さらに細分化された12人のグループ僧侶から蝉丸を推したというわけである。

いまと変わらず、誰を推しても自由であり、坊主をめくってはいけない坊主めくりでさえ、推しが登場すれば自ずとテンションは上がるのである。

坊主めくりで戯れていた頃から、はるか未来に蝉丸を授業で取り上げたり、論文に書いたりする日が来るとはまったく想像していなかった。蝉丸の詠んだ『小倉百人一首』10歌は


これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関


であり、難しいことを抜きにすれば、人間の出会いと別れをダイナミックに表現している。

彼は琵琶法師や説教師の世界でもリスペクトされ、現在の滋賀県には蝉丸神社や関蝉丸神社など、音楽や芸能の神様として彼を祀った神社もあり、神格化されている。いわば推しの聖地巡礼も可能なのである。坊主めくりから始まった推し活はどこまでも奥深く、果てしない。

坊主めくりと同じく、かるたも『小倉百人一首』から誕生したゲームである。それが競技かるたという札を取り合うスポーツのような勝負にまで発展した。


自分にとっては競技かるたで蝉丸の札を取れたときのうれしさや楽しさは特別なのである。どの世界でも推しのいる生活は楽しい。あなたもかるた部で推しを探し、その推しの札を取る爽快感を味わってみてはいかが?


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かるた部について詳しく知りたい方へ

@跡見学園女子大学かるた部Xアカウント

私達かるた部は競技かるたの練習、大会参加はもちろん、大学図書館が所蔵している百人一首の資料を地域交流イベントを通し広める活動を行っております。イベントでは袴を着ての試合や、毎年菊坂かるた大会を主催しております。百人一首に興味がある方、初心者大歓迎です!


2025年4月14日月曜日

【募集】2025年度夏期フランス語研修

 今日は跡見学園女子大学の夏期フランス語研修(約1ヶ月間)についてご紹介します。

「なんで人文で?」と思ったひともいるかと思いますが、人文学科の中山慎太郎(フランス文学、フランス語教育)が一週間ほど引率しているからです。

フランスでの滞在に慣れるまで、みなさんの成長を妨げない程度にサポートします。

なので、「海外旅行に行ったことはないんです…」というひとも安心。

(トラム、バスのチケットの買い方)

(みんなでバス)

さて、夏期フランス語研修についてなのですが、2025年度も例年どおり8月3日から9月1日までの研修です。

場所はフランスの北西部の街アンジェ。
大きすぎす、小さすぎない街で、治安と気候の良い街ですよ。
世界遺産のアンジェ城で有名です。

(アンジェ城)

(アンジェ中心のラリモン広場)

語学研修先は西カトリック大学(Université catholique de l'Ouest)。
外国人へのフランス語教育に力を入れている学校で、初級から上級までクラスがあります。
自分の力にあわせて楽しくフランス語が学べますよ。

約20カ国からの研修参加者もいて、国際色豊か。
いろいろな国の友だちもできます。
もちろん、フランス人の学生も研修のサポートについています。

(ガイダンス1)

(ガイダンス2)

研修の最後にはパリ研修も。

旅行で海外に行くことは大学を卒業してもできますが
海外での「生活」は学生時代にしかなかなかできません。

(みんなでカフェ)

(授業後の散歩)

ぜひこの機会にフランスで「海外での生活」「海外の大学」を体験してみませんか。

気になる参加費など詳しくは↓

直接話しを聞いてみたいというひとは、国際交流課(d-kokusai(at)mmc.atomi.ac.jp)か中山(nakayama(at)atomi.ac.jp)までご連絡ください。

今年度(2025年度)の申込期間は4月18日9:00から4月21日(月)正午12:00まで。

最後に、昨年度のフランス語研修の思い出を動画にまとめてもらいました。


「楽しそう!」と思ったあなた、ぜひ検討してみてください!

(「夏期フランス語研修お疲れ様会」ル・ブルターニュ@神楽坂でガレット)

2025年4月7日月曜日

【新刊紹介】協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン(増補改訂第3版)

ごきげんよう。

茂木一司(インクルーシブアート教育・美術科教育)先生から、新刊のお知らせが届きましたのでご紹介します。

茂木先生は体感型の学びを大切にされており、この4月に入学した1年生からを対象にしたカリキュラムでは、教養科目の一つとして新設された「ワークショップで学ぶアート」も担当されています。茂木先生いわく、「これはたぶん日本の大学では珍しい教養科目での美術実技科目です」とのことです。

新カリキュラムの紹介ページも、ぜひご覧ください。

https://www.atomi.ac.jp/univ/faculty2020/new_educational_curriculum_2025/

茂木一司編集代表『協同と表現のワークショップ:学びのための環境のデザイン(増補改訂第3版)』(東信堂、2025.3.31)が刊行されました。

2010年初版、2014年第2版(https://x.gd/IEiA9)、10年ぶりに第3版となりました。

増補部分は、「[増補]終章 これからのインクルーシブアートワーク ショップの理念と実践―ケア・アクセシビリティ・ウェ ルビーイング―」として加えた内容で、インクルーシブ防災とジェンダー・LGBTQのアート教育及び視覚障害のためのインクルーシブアート教材開発、です。それに加えて、この本も最終版になるだろうと思って、「上田信行×苅宿寿文×茂木一司」の対談を結びに加えました。2003年頃から本格的にワークショップ学習を研究した成果をまとめたもので、最近のインクルーシブアート教育を今回加えました。

アートも含め、様々なことをからだ全体で学んでいくことが必要です。それは、頭で考えてからやるのではなく、やってから考えることと考えてからやることを即興でバランスよく繰り返すことでもあります。

世間ではワークショップはすでに透明化?しているくらい普及をしていますが、(大学を含めて、小中高校の)実際の教育/学習に関してはまだまだ主体的な学びとは言えない状況もあり、分断された教育ではなく、(生の)全体性を保証する学びにはワークショップのような指向性が必要と考えています。単なる方法ではなく、コンセプトとコンテンツが「分けられない」、そんな学習の在り方が求められています。


本はワークショップの入門書として編集していますので、初心者でも読みやすく具体的です。

東信堂とamazon等にじきに紹介されると思いますので、どうぞお手にとってご覧ください。


※ワークショップの社会的な広がりについては、以下のWebページを参照してください。

https://wsd.si.aoyama.ac.jp/about/

https://wsd2o.org/

https://wsd2o.org/manage/

2025年4月5日土曜日

新年度を迎えました

 ごきげんよう。

いよいよ新年度が始まりました。人文学科は新たにお二人の先生を迎えました。

(左)大髙皇准教授 (右)香取潤哉准教授

大髙先生は地理学がご専門で、香取先生は書道史がご専門です。それぞれ関連の授業を担当されます。

また、新入生も迎えました。4月3日の入学式はあいにくのお天気でしたが、新座キャンパスの色とりどりの花が入学を祝うかのように咲いていました。





在学生も含め、今日から履修登録が始まります。みなさんが興味のある分野の学びを深めていけるよう、教員もサポートしていきます。