現在花蹊記念資料館では、学園創立150周年記念「跡見花蹊と跡見女学校―開学へのあゆみ―」展が開催中です。HPでは企画趣旨が次のように記されています。
跡見学園創立者の跡見花蹊[1840-1926]は、教育者のみならず、画家・書家としても高く評価されました。本展では、跡見学園創立150周年を記念して、花蹊が手掛けた書画の中でも代表作を中心に紹介し、跡見学校開学までのあゆみを振り返ります。
花蹊は、摂津国西成郡木津村(現在の大阪市)で家塾を営む家庭に生まれ、幼少の頃から書画に親しみ、20歳になる頃には家塾の経営も任されました。
画家の円山応立や中島来章に「円山派」の画法を、日根対山に「南画」の画法を、頼山陽の門下であった儒学者・宮原節庵と後藤松陰に漢籍・詩文・書法を教授された花蹊は、のちに独自の表現を追求し、《四季花卉図》や《萬山畳翠図》などの代表作を生み出しました。また、花蹊の書の表現は「跡見流」として受け継がれています。
本展では、洋画家・黒田清輝による花蹊の肖像画を公開します。また、書画のみならず、花蹊が実際に着用していた「紫袴」や、生徒に授けた書画の手本、代表作《四季花卉図》に使用されている印章も展示いたします。花蹊はいかにして開学への道のりを歩んだのか、豊かな創作活動の足跡をお楽しみ頂ければ幸いです。
学内に博物館が設置されている跡見の特色を生かすべく、人文学科の学生の受講が多い「博物館概論」の授業で資料館の見学を4月17日に行いました。会場ではこの展覧会を担当した若林学芸員に展覧会の概要をお話しいただくとともに、学芸員課程を志す学生たちに向けて準備や展示に当たっての工夫や苦労をお話しいただきました。
受講生からは、
今日の見学で、展示だけでなく学芸員さんのリアルな展示での苦労話を聞けて面白かったです。特に自分が興味を持ったのは飾り方についてです。花蹊が書いた短冊など、見学に来た人に見えやすいよう積木で頭の方から傾けてくれていたり、大きい掛け軸作品の上の方が巻く装置で巻かれてみえやすいようになっていたりと様々な工夫がされて展示が行われているのだなと実感しました。私は高校の時に書道部で大きな掛け軸作品を臨書ですが書いていたので掛け軸系のお話が特に興味深かったです。見学とても楽しかったです!
学芸員さんの展示までの苦労話の中で学芸員がこんなに関わっているのかと驚きました。原稿を作りから始まり、展示の設営、さらに私たちに展示物の説明などお話を聞いているだけで大変さを知り学芸員の重要度を知りました。展示のパネルや実物の配置方法、展示のテーマに必要な展示物を決めたりなど、どうしたら相手に伝わるかを重視したりしているのだと改めて思いました。実物があって特によかったのは、制服の袴です当時の人の身長が知れました。
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展覧会情報
跡見学園創立150周年記念・企画展「跡見花蹊と跡見女学校―開学へのあゆみ―」
・会 場: 跡見学園女子大学花蹊記念資料館 展示室1・2
・会 期:2025年3月24日(月)~5月20日(火)
・開館時間:10時~16時
・休 館 日:土曜日・日曜日・祝日
※4月26日(土)は開館、5月2日(金)は休館いたします。
・入 館 料:無料
【関連イベント】
当館学芸員によるギャラリートーク(所要時間15分前後)
・日 時:⑴2025年4月26日(土)14時40分~
⑵2025年5月17日(土)14時00分~
・会 場:跡見学園女子大学花蹊記念資料館 展示室1・2
※展覧会について詳しくはコチラを。
※展示内容については資料館の公式Xもご参照ください。 コチラ