2025年12月29日月曜日

全学共通科目「アート入門」のご紹介・その2【授業紹介】

人文学科の柴田(美術実習)です。

 「アート入門」の第2弾は、西洋美術史の剱持 あずさ先生です。 



19世紀初めに大きな転換点を迎えた西洋美術、剱持先生はその前半、わけてもルネサンス絵画を専門にご研究されておられます。「西洋美術史入門」ということで<西洋絵画を読みとくって?>、<明暗と空間>の2回の講義をうかがいました。 


1回目の冒頭「美術史とは?」のところで、テキスト的には『造形作品の歴史=人間の表現に関わる歴史/文化/精神をひもとく』ではあるのですが、先生自身がこれまで研究されてこられたからこその考え、『年月を超えて伝えられてきた作品に「今」むきあって「今」感じること、意味や価値を見出す』という貴重なお話が! 古の昔に確かに誰かの手によって生み出された作品が、今目の前に存在している、そのことにぐっと感慨を覚えるのだというくだりは、制作者である自分にとっては大変うれしい言葉でした。 


さて、ことに19世紀の大エポック以前の西洋美術では、その<主題>を知っているかどうかで作品の理解が全く違ってきます。いわゆる歴史画といわれる、神話・宗教・寓意・歴史・文学などをテーマにした絵画について例を示しつつ解説くださいました。フラ・アンジェリコの「受胎告知」ではサンマルコ寺院にどのように存在しているものなのか、絵画がおかれる「場」の重要性が紹介され、昨今ひたすら美術館やギャラリーの「壁」に並べられることが多くなってしまった「絵画」を考え直したいと気づかされました。 

2回目は、西洋絵画の表現の核である「明暗と空間」です。 

モチーフとしては同じ場面をとりあげてはいても、<テンペラ画>と<油彩画>では風合いに大きな違いがあることを、イタリアのテンペラ画とネーデルランドの油彩画を比較して解説くださいました。カメラなどの画像に慣らされている現代人には、確かに油彩画の方がリアルな印象かもしれませんが、よく見れば人体のバランスなどテンペラ画の方が優れていたりします。どっちが「リアル」なのでしょう?また、よく日本画の人がイタリアに留学に行って西洋の絵を勉強したりすることも寡聞しますが、テンペラやフレスコには、日本画の画材と通じるところがあるのかもしれません。 


そのほか、西洋絵画の光と影(明暗法)や遠近法/透視図法の話、そして古代ギリシャの「斜めの視点」がすでに奥行きを意識したものであるなど、とても興味深いお話の数々でした。 

剱持先生のご講義は、西洋美術の単なる知識なのではなく、「作品」や「作者」に対する愛情が根底にあるのでありました。 

2025年12月25日木曜日

【お知らせ】社会科・地理歴史科の教職課程が認定されました

本学が文部科学省に申請していた社会科・地理歴史科の教職課程について、2025年12月22日付で認定されました。

このたびの教職課程認定により、人文学科では2026年度の入学生から以下の免許状の取得が可能となります。

【認定となった免許状の種類】

中学校教諭一種免許状(社会)

高等学校教諭一種免許状(地理歴史)


2025年11月21日金曜日

全学共通科目「アート入門」のご紹介・その1【授業紹介】

 人文学科の柴田(美術実習)です。

『全学にアートを!』のスローガンのもと、R7新カリの全学共通科目に新設された「アート入門」が走り出しました。

人文学科の美術系教員が話し合い、皆でのオムニバス形式で行うことにした科目です。机上で出来る手軽な実技的要素も含んでいます。

トップバッターは、日本美術史の矢島 新先生。

最初の講義では作例を引きながら<日本美術の特質>をお話しくださいました。日本画を描いてきた自分の感触にとっては「デザイン性と写実性の融合」のくだりはストンと腑に落ちる思いです。まさに日本画の画材の魅力でもあります。

二回目の時間は、柴田が担当しての「鳥獣戯画」の臨写体験の回。

水墨紙に筆ペンです。(ウォーミングアップとして鉛筆や筆ペンで様々な線を引いてみて身も心もときほぐしました。)何枚でも描いてよく、2枚目からは興に乗ってきて自分の思うように筆を運びたくなったら、その気持ちを否定せずにオリジナル世界の発動もOK! 描いてみたからこその気づきも色々あったようでした。

そして、三回目の回では再び矢島先生により「鳥獣戯画について考える」の講義を伺いました。美術史研究の醍醐味にも触れていただき、大変興味深く拝聴いたしました。



2025年10月28日火曜日

第118回日展(第5科 書)に香取潤哉准教授の作品が入選しました【ニュース】

 ごきげんよう。

今年の日展で、香取先生の作品が入選されました!

香取先生といえば2025年度に本学に着任された書道担当で、「書道史」や「書道実習」などのご専門に関わる授業のほか、教職課程(書道科)に関する科目もご担当されています。

お忙しい中でも、ご自身の作品作りも続けていらっしゃるということで、このたび第118回の日展に作品が入選されたそうです。

※日展(日本美術展覧会)とは:日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の五つの部門からなる総合美術展で、また世界でも類を見ない規模の公募展です。全国各地から、10代の学生、社会人や100歳の方など、幅広い年齢の方が応募し、その中から厳しい審査を経て選ばれた作品が陳列されます。(公式HPより)

入選する確率は約10%ほどとのことで、狭き門! ちなみに香取先生に伺ったところによると、昨年も入選されているとのこと、す、すごい……。


本学の関係では、おなじ書部門に「書道実習」をご担当いただいている齊藤まゆみ先生も入選されているとのことです(香取先生いわく、「僕なんかよりずっと長い間作品を出されていて、すごい先生なんですよ」と)。


そんなすごい作品が見られる日展は、10月31日~11月23日に国立新美術館で開催されます。たくさんの作品を浴びる機会! 「芸術の秋」の一つとして、ぜひ足を運んでみてください。

https://nitten.or.jp/

2025年10月22日水曜日

お手伝いした企画展(吉岡弘昭展)のご紹介

 人文学科の栗田(博物館学、美術史)です。

 

愛知県碧南市と関東からは遠いですが、ゲストキュレーターを仰せつかった展覧会が11月15日に始まりますのでお知らせします。

展覧会名は「吉岡弘昭展 哀しみとおかしみを湛えた不思議な魅力」で、碧南市藤井達吉現代美術館で開催されます。展覧会概要は、美術館のHPでは次のように記されています。

名古屋市を拠点に活動する画家・吉岡弘昭(1942-)は、現代社会やそこに生きる人間の生の深淵を見つめる表現で群を抜く存在です。ユーモラスに表現された人間、犬、鳥などのモチーフは不思議な魅力に溢れています。本展では、初期の油彩作品から版画家としての評価を確立したドライポイントによる変身シリーズ、多版多色刷の諧謔的な表現により独自の作品世界を切り拓いた70~80 年代の版画から新作の絵画に至るまで、約60年に及ぶ吉岡の画業を総覧します。

『変身シリーズ No.1』1969年 作家蔵

ゲストキュレーターとしては、コンセプトや出品作品選定に際して助言を述べさせていただきました。また展覧会図録には「寓意としての世界:犬のまなざしが浮かび上がらせる「裏返しの笑い」」というエッセイを寄稿しています。

『GON&BEN(YELLOW)』1976年 作家蔵

開会初日には、吉岡弘昭さんと対談を行います。制作のご苦労や作品の成立の背景、今後の制作への思いなどを引き出すことができればと思っています。

 

『寓意の風景・A』2022年 作家蔵

 

ジブリパークや名古屋港水族館、あるいは徳川美術館や豊田市美術館に足を運ぶ機会がありましたら、こちらにもお立ち寄りいただければ幸いです。

 

【展覧会概要】

展覧会名:吉岡弘昭展 哀しみとおかしみを湛えた不思議な魅力

会期 :2025年11月15日(土曜日)~12月21日(日曜日)

観覧時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)

休館日:月曜日、11月25日(火曜日)※ただし、11月24日(月・休)は開館

観覧料:一般800円(640円)、高・高専・大学生400円(320円)、中学生以下無料

※( )内は20名以上の団体料金。市内在住・在学の高校生、市内在住の65歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名は無料。受付に証明書をご提示ください。

※11月21日(金曜日)はあいちウィーク期間中の「県民の日学校ホリデー」のため観覧無料

主催:碧南市藤井達吉現代美術館、碧南市、碧南市教育委員会

共催 :中日新聞社

ゲストキュレーター :栗田秀法(跡見学園女子大学教授)

 

【記念対談】

演題「プリントとペインティングの往還」

講師       吉岡弘昭(画家)

栗田秀法(跡見学園女子大学教授、本展ゲストキュレーター)

司会       木本文平(当館館長)

日時       11月15日(土曜日)14:00~15:30

場所       地下1階・多目的室B

定員       50名 ※要申込

※聴講無料

2025年9月25日木曜日

イベントのお知らせいろいろ

 ごきげんよう! ブログ更新もすっかりご無沙汰してしまいました。

今日から秋学期の授業が始まり、にぎやかなキャンパスが戻ってきました。

10月25日・26日は学園祭(紫祭)もあり、また跡見学園150周年に関連したイベントも多く開催されます。人文学科に関係するものを、いくつかご紹介いたします。


【学園創立150周年記念シンポジウム「文化遺産がつなぐ過去と未来-跡見女学校 明治・大正・昭和の暮らし」】

9月28日(土)13時~16時 文京キャンパスにて

地域交流センター主催のイベントで、大学院人文科学研究科1年生の黒木真悠さんが登壇します。

https://www.atomi.ac.jp/univ/activity/detail/16230/

※参加申込はすでに締め切っていますが、出土品特別展示も同時開催されており、こちらは事前申込不要です。9月24日(水)~9月30日(火)10時~16時 [最終入場15時30分]です、ぜひお越しください。


【『鹿の国』上映と弘理子監督とのトークイベント】

10月4日(土)13時30分~16時 文京キャンパスにて

ドキュメンタリー映画『鹿の国』の上映会と弘理子監督を迎えてのトークイベントで、人文学科の森谷裕美子教授らが登壇されます。

https://www.atomi.ac.jp/univ/news/detail/16616/

入場無料、どなたでもご参加いただけます。


【跡見学園創立150周年記念「百人一首展」(秋会期)】

新座図書館にて開催、入場無料です。

10月4日(土)~10月22日(水)、10月25日(土)~10月26日(日)紫祭当日

平日9:00~18:00 土曜日9:00~14:00※日曜日および10月14日は閉館のため除く

(紫祭当日は土曜日10:00~18:00 日曜日10:00~17:00)

監修は人文学科の加美甲多准教授です。

https://www.atomi.ac.jp/univ/library/news/detail/16719/


お気軽に参加していただければ幸いです。

2025年8月10日日曜日

人文学科教員の日常:学会参加

 大学の先生が普段どんなことをしているか、あまりイメージできないという人もいるかもしれません。実はそれぞれの専門とする分野によっても異なるのですが、多くの教員は「学会」と呼ばれる研究者の集まりに参加しています。

ということで今回は、笹島雅彦先生(国際教養)と山岡華菜子先生(日本語学)に聞いてみました。


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【笹島先生】

6月21日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)で開催された日本防衛学会研究大会に参加し、部会の司会者を務めてきました。

この部会では、海上自衛隊幹部学校の尾藤由起子主任教官兼戦略研究室長(1佐・博士)が、「日本の戦略的コミュニケーションとWPS」について発表し、注目を集めました。

彼女は、国連が推進する「Women, Peace and Security (WPS)」を女性の保護や活躍推進の政策の枠組みにとどめず、日本の安全保障に結びつけるよう提言しています。

自衛隊の中で、女性が役割を果たす場面が増えてきましたね。政策研究大学院大学の岩間陽子教授も討論者として参加しています。

(左側でマイクを持っているのが笹島先生)


【山岡先生】

5月9日から11日まで、名古屋大学で開催された日本方言研究会・日本語学会に参加してきました。発表などはせず、聴衆としての参加です。

様々な研究発表を聞き、自分の専門に近い発表には質問もさせていただきました。


これらの学会は年2回開かれているのですが、10月の大会はオンラインでの開催となります。
対面だと合間に現地のおいしいものを食べに行くこともできてハッピーですが、オンラインだと家から参加できて楽なのでそれはそれでハッピーです。

名古屋ではひつまぶしに舌鼓を打ちました。


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ということで、先生方の日常から学会参加についてご報告いただきました。

また機会があれば別の先生方も取り上げます!