2025年2月18日火曜日

河合栄治郎研究会の開催【イベント報告】

 人文学科教員の松井慎一郎です。


215日(土)に河合栄治郎研究会を文京キャンパスにて開催しました。

河合栄治郎(1891-1944)は、大正から昭和初期にかけて活躍した思想家です。戦時期、軍部ファシズムを批判した自由主義者として知られています。NHK朝ドラ「虎に翼」の「落合洋三郎」や演劇「長い墓標の列」の「山名教授」のモデルとして、最近注目されつつあります。



2月15日は河合の命日ということもあり、河合のご遺族・関係者、行安茂先生(岡山大学名誉教授・倫理学)、寺中平治先生(聖心女子大学名誉教授・哲学)、渡辺かよ子先生(愛知淑徳大学・教育学)をはじめとする研究者等40名ほどの方が参加してくださいました。松井ゼミの学生4名が運営を手伝ってくれました。

 


御年93歳の行安茂先生は岡山から日帰りでご参加。研究会の開催に合わせて、『河合栄治郎の生涯と思想』(北樹出版)を出版されました。


17年前に本学を退職された山口榮先生もお元気な姿でお見えになりました。手伝ってくれた松井ゼミの学生と記念写真を撮っていただきました。


2025年2月6日木曜日

クラブ・サークル紹介①書道部のこと

ごきげんよう。

人文学科の先生方や学生の皆さんが関わっている部活・サークルについて好き勝手に紹介するという記事です。今回は【書道部】をご紹介します。

人文学科には書道実習や美術実習など、芸術の実践的な授業が配置されており、入門から学ぶことが可能です。教員免許取得を目指す学生はもちろん、興味があって取ってみるという学生も多い科目で、もちろん専門家の指導を受けられます(授業についてはまたご紹介します!)。

書道部は、そこからさらに書道の上達を目指す人や、大学に入ってから新しいことにチャレンジしたいという人、字がうまくなりたい人、はたまた何となく入ってみた人などが所属しているそうで、日々(?)作品作りに励んでいます。

以下、大学HPから部活紹介を引用しておきます。

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私たち跡見学園女子大学書道部は、月2回の合同練習会や平日の放課後に活動を行っています。展覧会に向けて自分のペースで作品を制作できます。私たちは『東京学生書道連盟(東書連)』に加盟しており、東書連での行事で各大学の展覧会を見に行ったり、書連展という展覧会に出品したりしています。他大学の学生と交流出来たり、書の知識を深めることが出来ます。経験者・初心者問わず、書道を楽しむことが出来ます。

【活動日時】新座:火・水 放課後、文京:木・金 放課後
月2回程土曜日に文京にて1~4年合同練習会あり

【活動場所】1303(書道教室)(新座)、M2507(書道教室)(文京)

【部員数】12名

【部費】入部金なし(必要に応じて集金あり)、連盟費1,000円

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書道部の実態や書道のおもしろさについてなどなど、いろいろ気になったので部員のHさんに聞いてみました。


――Hさんが書道部に入ったのはなぜ?
もともと習字を習っていて楽しいと思っていたところに、部活があったから入ったという感じです。

――何がおもしろい? どういうときに楽しいなと思う?
完成させた作品が表具されて手元に返ってきたとき、作品の感想をもらえるときです。
*表具:紙に書かれた作品を補強し、装飾を施して掛軸などに仕立てる技術のこと

――部活としての楽しさはどういうところにある?
いろんな人と書道を介して交流できるところです。うちの書道部は「東京学生書道連盟」に所属していて、交流会や合同展を実施しています。合宿に行ったりもしていますし、作品の題材や表具などについて話すこともあります。

――「表具」については、どんなふうに決めるの?
作品によって自分で選ぶのですが、物によって金額が全然違うのでそことの兼ね合いもあります。学生なので……(笑)。人によっては、幅や長さを計算してもっとも美しく見える表具を選んだり、色にこだわったりする人もいます。

――Hさんが書道に対して意識していることは何?
先生から、「手習いと目習いの両輪を回しなさい」と言われたことがあって、それを今でも意識しています。「目習い」は作品を見て学ぶことなんですが、いろんな展覧会に足を運んだりしながらたくさん学んでいます。

――最後に、書道あるあるを教えてくださいな。
「あるある」かはわかりませんが。書くときには墨汁を使うこともあるし墨を磨ることもあるんですけど、磨った墨はその日に使い切らないと腐って臭くなります。半年くらい放置してるやつがあるんですけど、嗅いでみますか?

――臭い!ありがとうございました。

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せっかくなので、年間の活動がどんな感じなのかも教えてもらいました。

【6月】書連展
・東京学生書道連盟(通称:東書連)の展覧会
・展覧会運営や批評会を通して、他大学の学生と交流します。

【8月】ゆかり展
・跡見書道部が主催する展覧会
・1年生にとって初めての展覧会

【9月】夏合宿
・昨年は3泊4日へ山梨へ!
・書作はもちろん紙漉き体験や硯作り体験、採拓体験、花火などのレクリエーションを通して、書道の技術向上を目指しながら部員同士の交流を深めることが出来ます。



【11月】書作展
・学園祭で展覧会を開催。
・夏合宿の成果を発揮する絶好の機会!



このほか、小学生対象の書道体験を実施したり、博物館を訪問したり、送別会をしたりもしているとのことで、ただ「書く」だけではない活動もたくさんあるようです。




書道部の活動をさらに知りたい方は、こちらの動画もどうぞ。



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ちなみに、2024年度の残る大きな活動は、Hさんも出展する「卒業記念展覧会」と「第69期連盟卒展」だそうです。前者は跡見女子学園大学書道部としての卒業記念展で、後者はインタビューの中でも出てきた東京学生書道連盟の展覧会です。
一般公開もありますので、ぜひ足をお運びください。

【跡見学園女子大学書道部卒業記念展覧会のお知らせ】
この度、跡見学園女子大学4年生による卒業記念展『玉響展』を開催いたします。
《会期》
◇学内公開
2025年2月18日(火)〜20日(木)
◇一般公開
2025年2月21日(金)10時~17時
            2月22日(土)10時~15時
《会場》
跡見学園女子大学文京キャンパス2号館1階エントランスホール
《アクセス》
東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅より徒歩3分
《ご来場の皆さまへ》
学外からご来場される方は入構証が必要となります。校門脇にある守衛室にて入構証をお渡ししますので、ご来場の際にお立ち寄りください。


【第69期連盟卒展のご案内】
この度、第69期連盟卒展を開催する運びとなりましたため、ご案内いたします。
〈会期〉
3月1日 10:00~17:00
3月2日 10:00~15:00
〈会場〉
月島社会教育会館 晴海分館アートはるみ
〈交通〉
都営大江戸線・東京メトロ有楽町線 月島駅から徒歩12分


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跡見学園の創立者である跡見花蹊は書にも優れた人で、新座キャンパスにある花蹊記念資料館にはその作品も展示されています。
その精神を受け継ぎ、本学の授業科目には「書道実習」が基礎から応用まで設置されていますが、書道部に入って自分の作品を作り上げるのも楽しそうです。

ということで、今回は書道部のご紹介でした。

【書道部のSNS】

2025年1月26日日曜日

2024年度の授業終了

 1月25日(土)、秋学期の授業最終日でした。

ここから期末試験(実施する科目のみ)やレポートの締切はあるものの、長い春休みに入っていきます。新学期が始まるのは4月、在学生向けの新年度オリエンテーションが実施されるのは3月末なので、2ヶ月ほどですね。その間、バイトをしたり旅行に行ったりダラダラしたり就活したり遊んだり…と多様な過ごし方をすることでしょう。これも大学生活の中の大事な時間です。


土曜の授業は2限まで(ほんのごく一部の科目が3限まで)で、そもそも開講科目も少ないのですが、そのうちの一つが「漢文学」でした。3・4年生を対象とした「各論」と呼ばれる専門科目の一つで、国語科の教員免許を取得する場合には必修、書道科の教員免許を取得する場合には選択必修となります。

おいおい土曜に入れるなよ…と多くの履修者が思っていたことでしょうが、そこはちゃんと真面目に取り組む学生たち、ほとんどが毎回きちんと出席して、課題にもきちんと向き合ってくれました。リアクションシートのコメントや質問も興味深いものばかりで、読んで答える側としても楽しい授業でした。

いよいよ最終回を迎えて、授業実施日としても最終日だったので、「これで授業終了だぜやったー!」っていう写真を撮らせてほしいとお願いしたところ、下記のような写真が撮れました。

やったー!感を出している人と、早く終わらないかな感を出している人と、どうでもいいんですけど感を出している人がいます(まだレポートあるのになー感を出している人もいるかもしれません)。みんながそれぞれの在り方でそのままいられるというのが本学のいいところだなと日頃から思っていますが、この写真からもそれが感じられますね(?)。


ちなみにこの写真、本当は人文学科のインスタ用に撮影したのですが、どういうわけかアカウントが凍結されてしまっているので代わりにこちらに投稿しておきます。

少し気が早いですが、2024年度もお疲れ様でした。新年度に元気に会いましょう。



[追記:1月27日現在、アカウントの凍結は解除されて閲覧できるようになりました。いろいろ投稿されていますので、ぜひご覧ください]

2025年1月24日金曜日

【告知】加美先生の「おもて」と「うら」!?

ごきげんよう。今回は跡見の新コンテンツをご紹介します。

その名も、「跡見アカデミックラウンジ 大学教員のおもてとうら」です。ポッドキャストとして、SpotifyとApple Podcastで配信されています。

パーソナリティは現代文化表現学科の西原麻里先生と、人文学科の中山慎太郎先生です。

ポッドキャストとはインターネット上で配信されているラジオのことでして、この番組は無料で気軽に聞くことができます。

Spotifyでお聞きになる場合は下のリンクからアクセスするか、またはSpotifyのアプリを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。

https://open.spotify.com/show/1p3PNqDTk5hGDj7EY9fDBj?si=a3888a2d16964fe9

Apple製品をお使いの方は、iPhoneなどにApple Podcastがインストールされていますので、そちらを開いて「大学教員のおもてとうら」と検索してください。iTunesやAlexa対応のスピーカーでも楽しめます。


今配信されているのは第2回までですが、これから月2回ほどのペースで更新されていくということで、跡見のいろいろな先生方のお話が聞けるようです。

第0回はパーソナリティのお2人の自己紹介、第1回・第2回はゲストとして人文学科の加美甲多先生が出演され、研究・授業のお話と趣味のお話をそれぞれなさっています(パーソナリティお2人の自己紹介は、第1回の冒頭でさらに詳しく聞けちゃいます)。


こっそり伺ったところによると、あの先生やこの先生も今後登場されるとか…?

1回分の時間は10分程度とコンパクトで、ちょっとしたスキマ時間にも聞けますのでお気軽に。ぜひチャンネルをフォローしてお楽しみください。


さて、加美先生にどんな「裏の顔」があるのか、私もこれから聞いてきます!

2025年1月22日水曜日

【お知らせ】博物館実習生模擬展示@花蹊記念資料館

 

学芸員課程を担当している栗田秀法です。

121日(火)から新座キャンパス内の花蹊記念資料館で学芸員課程企画「博物館実習生模擬展示」が始まりました。人文学科で開設している学芸員課程の集大成となる授業「博物館実習C」の成果展示です。

受講生はゼミの専門に応じて歴史・民俗班と美術班に分かれ、企画の立案、出品作品の選定、会場展示プランの作成、各種解説原稿の作成等の準備に秋学期を費やし、120日(月)に最終の展示作業を行いました。美術班は栗田が、歴史・民俗班は非常勤講師の新井久代先生(遠山記念館学芸員)が担当し、折に触れ矢島新先生からご指導を頂き、展示作業でも多くのご助言を頂戴しました。



展示室1は歴史・民俗班企画の「女学生図鑑―教養とおしゃれ―」で、明治時代から昭和時代初期頃までの女学生たちに求められた「教養」をテーマした第1章と、女学生の「おしゃれ」をテーマにした第2章とで会場が構成されています。

展示室2は美術班企画の「回顧から懐古へ―追憶の版画展―」で、16世紀から20世紀までの多種多様な西洋版画が展示されています。




各班のポスターも受講生のデザインによるもので、なかなか優れた出来映えです。

展覧会にはこんな18世紀初頭の銅版画も出ています。


版刻:ジェラール・オドラン、原画:アントワーヌ・コワペル

《アハシュエロス王の前に立つエステル》(部分)

エングレーヴィング

 

近世ヨーロッパの銅版画の刻線はとても緻密で、近寄って見てみると、その超絶技巧に目を見張ることでしょう。

美術班の受講生はNoteを用いて出品作品の紹介をしていきますので、是非ご覧下さい。また、XInstagram(アカウント名:@atomi_kaiko)を通じても発信していますので、そちらも覗いてみて下さい。展覧会は131日(金)まで開催しておりますので、お近くの方はぜひ足をお運び下さい。

 

企画展 「博物館実習生模擬展示」(展示室12)

・会  場: 跡見学園女子大学新座キャンパス2号館 花蹊記念資料館

・会  期:2025121日(火)~131日(金)

・開館時間:10時~16時 最終日は14時閉館

・休 館 日:月曜日・土曜日・日曜日

・入 館 料:無料(事前予約不要)

※公式Xコチラ




2025年1月21日火曜日

加美ゼミ・山岡ゼミ合同の文学散歩

 1月13日(月・祝)、加美ゼミ(日本中世文学)と山岡ゼミ(日本語学)の合同で文学散歩を実施しました。

今回の行き先は、上野にある東京国立博物館です。それぞれのゼミから、合計約25名の3・4年生が参加しました。その模様を、山岡がレポートします。


AM11:00 上野駅の公園改札前集合…のはずが、「迷いました」「乗り換えを間違えたので遅れます」が数名。その間、自己紹介をしたり久しぶりに会った人たちが近況報告をしあったり、誰も遅刻を責めない優しさあふれる時間でした。


AM11:20 東博に到着。それぞれチケットを購入して、今回は常設展を見に行きます。再集合の場所と時間を確認して解散。チケットの絵柄が違うので、自分のを見せ合う人々。


その後、展示室の入口で加美先生が解説を始めていた様子がこちらです。


このあと、再集合まで加美先生を見かけることはありませんでした。


PM1:00 再集合。「途中で全然会いませんでしたね」と加美先生に話したら、幾人かのゼミ生たちを連れて解説をしたり夢中で見たりしていたようで、実は展示の始めの方しか見られていないとのこと。ここに、言語的な史料にしか興味がない山岡との差があらわれています。反省。


PM1:30 各々で昼食。山岡は幾人かと一緒に、上野公園でおこなわれていた「広島ふるさと祭り2025」でカレーともみじてんを食べました。食べるのに夢中で写真を撮っていません。すみません。冬の晴れた空の下で食べるカレーはおいしかったです。もみじてんも最高でした。加美先生はやはり幾人かと一緒に、カフェに行かれたとのことでした。


PM2:30 再集合して午後は二手に分かれることに。加美先生たちは見ることのできなかった展示の続きを見に再び東博内へ。残る人々は上野公園の散策へ。実はゼミ生の中にこのあたりを地元とする学生がいたので、いろいろと案内してくれました。


そして最後には西郷どんを見て、


スカイツリーをしばし眺めました。



3・4年生のキャンパスは茗荷谷にあるので、上野からもそう遠くはありません。授業の合間に展覧会を見に行くという人もいるようですが、公園内の散策は確かにあまり機会がないのかも。ということで、新鮮に楽しむ学生が多いようでした。


PM4:00 公園改札前で再集合。記念に全員で写真を撮って、解散!…のはずが、名残惜しいのか結構な人数の学生たちがそのまま残り、1時間弱ほどその場でお喋り。凍えました。


ということで、今回は加美ゼミ・山岡ゼミ合同の文学散歩の様子をお伝えしました。ほかのゼミでもこのような校外学習的な催しが実施されています。専門家と一緒に行くので、考えてみると贅沢ではありますね。

また何かありましたらご報告します。それではごきげんよう。

公式ブログはじめます

 ごきげんよう。

こちらは跡見学園女子大学文学部人文学科の公式ブログです。

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お楽しみに!